四季〜秋〜

森博嗣センセの本。
読後の感想(?)。

 モエは慌てたように研究室に飛び込んできた。
「先生!」
 呼吸の周波数が通常の3倍ほどに増えている。
 キーボードを叩いていたサイカワの手が止まる。
「どうしたんだい、そんなに慌てて」
 モエは左手に持っていた、一冊の本をサイカワの方に差し出した。
「先生、これってもしかして、森先生からのファンの皆さんへのプレゼントなんですか?」
 モエの目は異様に輝いている。
「訊かれても分からないよ、本人じゃないんだから」
「それはそうですけど・・・先生はどう思います?」
 モエは急激にサイカワに接近する。キスしようかという勢いだ。
「君がそう思っているなら僕が口をはさむ余地は無いよ」
「もう・・・」
 モエは怒っているが、サイカワは答えようとしなかった。いや、答えを導き出すための条件が少なすぎたのだ。いやいや、少なすぎというのも言い過ぎで、彼が得ていた情報は皆無に等しかった。
「先生、早く読んでくださいね!」

ということで、S&Mシリーズファンには読んでいただきたくなる一冊。その前に、「虚空の逆マトリクス」は読んでおくこと。