たほいや倶楽部「やらまやふう」を解読する!!

Openな場所にコピィ。

やらやまふう……山元幽璽『黒屋敷』シリーズの第二作、「渚の悲劇」に出てくるダイイングメッセージ。解読されないダイイングメッセージの例として有名ですが、これってネタばれかな。(出典:インターネット推理小説講座 part16「ダイイングメッセージのあれこれ」)

さて、ついに解読されなかったダイイングメッセージ「やらまやふう」であるが、不甲斐ない探偵に代わって解読に挑戦してみよう。いくつかの可能性があるので、順に説明する。

(初級編)犯人は妻

「つま」→「らま」→「やらまやふう」。犯人がごまかすために書き足した。なぜ探偵が分からなかったというと、妻はすでに死んでいたはずだったからだ。では、妻は生きていたのか?だがそんなことはないのだ。地の文で「死んだ」とはっきり書かれている。それでは・・・?
被害者は妻の怨念に殺されたのだ。フェアじゃないという声が聞こえる気がするが、ホラーストーリィではよくある話だ。気にしない。

(中級編)犯人は「屋良麻耶」風

被害者は犯人のことを知らなかったに違いない。しかしその姿は「屋良麻耶」に似ていた。しかし、探偵や関係者が誰一人として「屋良麻耶」なる人物を知らなかったため、解読されることはなかった。実は作者すらも知らなかったかもしれない。一種のメタトリックというやつだ。
メタトリックだとすると、作者である山元幽璽氏も作品内の登場人物となる。「渚の悲劇」は作中作だったのである。
と書いている私すらも意味が分からなくなっている。メタメタトリックというやつだ。

(上級編)「高井公園」に何かある

「やらまやふう」という文字を見ると、あ段、う段の文字が多いことに気付く。そこで、次のような変換をしてみよう。

ABCDEFGHIJKLMNOPQRS・・・
あかさたなはまやらわうくすつぬふむゆる・・・

この変換テーブルにより得られる文字列は「HIGHPK」。「HIGH」は「高い」、「PK」はいくつか単語の略語として用いられるが、ここでは「park」の意味をとろう。両者をつなげると、「たかいこうえん」となる。
さて問題は、ダイイングメッセージとしたときにこれが成立するかということだ。死ぬ間際にこんな変換ができるわけがないとお思いだろう。実はできる可能性がある。
被害者はコンピュータ上の人格だったという可能性だ。コンピュータであれば変換も一瞬だ。ダイイングメッセージを残すのも、メールを送信するなり、プリンタに出力するなり、形に残すことができる。きっと被害者は、「高井公園」に潜む人物あるいはコンピュータ上の人格から攻撃されたことを残したのであろう。なぜなら、犯人の姿はおそらく見えなかったはずだからだ。