フルーツワインサミット

ワインといえば普通はぶどうですが、他の果物からもワインは作られており*1、商品として売られています。私の住んでいる神奈川県でも各地に様々なフルーツワインがあります。そして今回、第一回目の神奈川フルーツワインサミットが海老名市役所にて開催されました。
各市町村のフルーツワインの担当者の方々と、「えびないちごわいん」を製造している大和酒造さんが参加してのサミットのようでした。私は、レストラン「ボンヌマン」*2オーナーシェフでソムリエの池田俊夫さんの講演と、試飲会に参加しました。

フルーツワインは、普通のぶどうのワインの場合と一緒で、果物自らの糖や酸の力で醗酵させて作ります。このとき糖度が20〜25%程度が最も良い条件らしいのですが、果物によってその値は全く違いますし、産地や品種、その年のできによっても左右されます。一般にぶどうで20%程度のようですが、他の果物では軒並みそれよりも糖度は低いのです*3。醗酵のために糖分が足りないとなると、補糖という、糖分を人工的に加える作業をしてあげます。同様に酸味が足りない場合は補酸をし、水分が足りない*4場合は水も足す必要があります。

フルーツワインは欧米各国では、商品としてはほとんど売られていないそうです。これには法律が関係しています。欧米では個人でお酒を作ってもいいため、買ってまでは飲まない、との説明がありましたが、国民性なども関係していると思います。上で述べた補糖については、欧米では伝統的にはちみつを使うことが多いそうです。北欧ではミーロと呼ばれるはちみつワインが良く作られているとのこと。

さて、神奈川県のフルーツワインはこれだけあります。試飲できたものに関しては感想を。

市町村果物感想
伊勢原市柿の風味を忘れてしまったからなのか、いまいちぴんとこなかった。糖度の高い果物だけあって甘味があって飲みやすい。
みかん普通のものと微発泡のものがある。後者は口当たりがよく美味しい。
海老名市いちご甘くて美味しい。「特撰」と「普通」と微発泡タイプがある。特撰の方が甘い。
巨峰
大井町いちじくいちじく独特の香りが後味としてかなり残るため好き嫌いが分かれそう。
小田原市良い梅の香りと甘味があって飲みやすい。
みかんすっきりとした味で飲みやすい。香りが良い。
レモン非常に香りがよく、さっぱりと飲みやすい。
川崎市
清川村
寒川町梨は食感が良い果物で味は弱いため、ワインにするのが非常に難しいとのこと。飲んでみると香り・味ともはっきりとせず、苦労がよくわかる。
城山町白とロゼがあり珍しい。白のほうが雑味がない分飲みやすい。
逗子市桜葉ベースとなる梅ワインに桜の葉を漬け込んだもの。松田町のものより香りが強く感じた。
茅ヶ崎市ぶどう
藤沢市ぶどう
藤野町小田原のものより梅酒っぽい。
ゆずゆずの香りが口の中に広がり、後味さっぱり。辛口とのことだが飲みやすい。
松田町桜葉小田原市の梅ワインがベース。香りが良い。
大和市巨峰ぶどうなので一番ワインらしい。搾汁率50%と贅沢な作りだけあって非常に美味しい。

色々飲んでみると、味もよいものも多いですが、やはり香りに特徴があるのでそれを楽しみたいと思いました。個人的には、海老名のいちごワイン、小田原のレモンワイン、藤野のゆずワイン、大和の巨峰ワインが良かったですね。

*1:果実酒ではありませんよ、念のため。

*2:http://www.ny.airnet.ne.jp/sakamoto/ebina/bonnuman.htm

*3:いちご14%、柿17%、すいか5%、桃9%、梨10%、りんご12%、みかん10%、バナナ22%、パイナップル12%、いちじく14%、夏みかん9%

*4:ぶどうは70%が水分ですが、他の果物ではもっと少ないですね。